さくらの下で、大正琴

フラワーホーム敷地内に1本ですが、桜の木があります。

年々少しずつ大きくなり、嬉しい事に咲かせる花の数も増え、入居者様らか「今年は良く咲いてるね」とのお声もありました。


日中ご家族様やご友人様とお花見に行ったお話は伺いますが、「夜桜を見に行った」との話はないので、1本でも毎年花を咲かせてくれフラワーホームの入居者様も愛でる桜で御花見です。


頬を撫でるぐらいの風が吹いただけでも、花びらがヒラヒラと舞って、今が見ごろです。

数年前までボランティアで多くの施設へ出向かれ、大正琴の演奏をされておられた入居者様にお願いをし、お昼と夕食後には夜桜の下で大正琴を演奏していただきました。


桜の周りに提灯を飾り付け、桜もほんの少しおめかしです。

日中、提灯を飾ると、訪問販売のパン屋を買うために降りて来られた入居者様が、「何をしてるんや?」と興味津々でスタッフへ声をかけてこられました。

桜と一緒に写真はどうですか?とお勧めすると「見合い写真やな!」と笑いながらも、キリっとした表情をされる方。


「皆 同級生みたいやな」と 入学式のように並んで笑顔をくださる方。


何故か 桜の木も笑顔に見えます。

昼間の桜にも大正琴は良く似合います。 

大正琴の生演奏を初めて聴くスタッフがほとんどです。演奏される方は久しぶりでドキドキ、スタッフは楽しみでドキドキ♪

演奏が始まると、桜の花びらも舞って一気に和を感じ、俳句まで詠めそうです。


曲は、「さくらさくら」「荒城の月」「ふるさと」「瀬戸の花嫁」など、6曲ほど演奏していただきました。

「ごめんなさいね、上手く弾けなかったわ」と話されましたが、お集りの方々と手拍子や一緒に唄い、楽しい時間が持てました。

道行く方が覗いている様子も見られました。


夕食後は照明も加え、甘酒、ノンアル、桜羊羹をご用意させて頂きました。

「甘酒は温まる。御代わりある?」「この羊羹、美味しい!」とお顔を見合わせたり、「ノンアルでも酔った気分になる」「私も大正琴 弾いてたわ」など、お喋りも弾みます。


大正琴の演奏が始まると、昼間とはまた違い、照明が春風に揺れ、まるで音頭を取っているようです。

それに合わせるかのように桜も舞い、花びらが音符のように感じます。

お集りの皆様も、いつの間にか合唱をされていました。


1時間程の時間ではありましたが、日本を感じた素敵な夕暮れでした。

大正琴を演奏できる方が他にもいらっしゃるので 演奏会など提案してみようと思いました。